写真展 : Last Wanderers of The Himalayas
@ 日本海外特派員協会
緑豊かな丘陵地帯が広がるネパール西部。ヒマラヤの険しい山岳地帯と、北インド平原の広大なジャングルが出会う交差点に、今なお森と里の狭間をたゆたいながら生きる民族がいる。「森の王」を名乗る彼らの名は、ラウテ。
定住/農耕を否定し、文明と自然の渚を遊動しながら暮らす彼らは、ジャングルの木々から作り出す器類を元手にした農耕民族との交易と、山でのサル猟を中心とした狩猟採集に生活の糧を見出している。
電気、燃料、車、TV、携帯電話、コンクリート、医療、教育etc… 近代的な生活スタイルがヒマラヤ山間部に暮らす人々にまで広く浸透しつつあるこの時代に、未だ「遊動」することに最大のアイデンティティーを保つ彼ら。里との関わりを持ちつつも自らには多くを取り入れない彼らだが、現在、政府の定住化政策や森林減少、植生の変化、地域コミュニティーの変化と摩擦などにより、彼らを取り巻く環境は加速度的に変化している。かれらは今何を想い、これからどこに向かうのか。
数年に渡り、彼らの許可を得てRauteの集落に通い続けるフォトグラファー・カドタニ “JUMBO” マサル が撮影した、彼らの生活史を伝えるドキュメンタリー・フォトシリーズ第一弾。
日本外国特派員協会 / FCCJ
東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル 5F
https://www.fccj.or.jp
Documentary Photographer / Videographer
カドタニ “JUMBO” マサル / Masaru “JUMBO” Kadotani
1982年、関西出身。
愛称である “JUMBO” は、山岳に鍛えられた頑健な体格と、動じない性格が由来。
学生時代より三浦 雄一郎氏のヒマラヤ遠征に同行を重ねたことでネパールを知る。
神々しいまでに美しいヒマラヤの大自然と、その中で育まれた多様な民族文化に惹かれる反面、カースト制度や貧困に起因する社会問題を身近で目の当たりにしたことで、フォトグラファーとして善悪の価値観を超えた「人間=動物の魅力」を表現することを志す。
現在は、世界中の辺境や山岳地帯をフィールドにした写真 / 映像撮影を中心に幅広く活躍しつつ、人の持つ原風景な魅力をテーマに、頂に挑む登山家や未だ知られていない民族、社会問題の中で逞しく生きる人々などを被写体としたドキュメンタリー撮影プロジェクトを展開している。
また、その究極的な山岳経験を活かし、ヒマラヤで創るアウトドア向けバッグブランド【 The 3rd Eye Chakra Field Bag Works / T3EC 】を主催、ネパール・カトマンズでの工房整備からプロダクトデザイン、ブランド運営ディレクションまで行う。
Born in Kobe, Japan in 1982.
The nickname, “JUMBO,” comes from his robust physique built from his mountaineering experience, as well as his unflappable character.
He accompanied Japanese adventurer / extreme skier Yuichiro Miura on his mountain expeditions to the Himalayas when he was 18 years old. That experience led him to be enthralled by the great nature of the Himalayan land and the diverse ethnic cultures which are nurtured by the rich geographical environment of Nepal. He also witnessed a lot of the tragic social problems caused by traditional caste system and poverty through his visits. As a photographer, he then aspired to express the “beauty of the humans as an animal” that goes beyond the preconceived sense of values of right or wrong.
Currently active in a wide range of documentary and promotional photography & video filming in the frontiers and mountainous regions all over the world. He also works on his own documentary projects focused on mountaineers and climbers challenging the peaks, the folklore of not well-known ethnic groups, and people who strive in the midst of social problems.